スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

大宰府の九州国立博物館

kyukoku08.jpg

2004年、東京国立博物館・京都国立博物館・奈良国立博物館に次いで4番目の国立博物館が九州の大宰府市にオープンしました。九州国立博物館。建築家 菊竹清訓大先生の設計で、太宰府天満宮と隣接して建てられています。菊竹先生は、この大宰府の生まれだったのですね。
この九州国立博物館の完成予想図を目にしたとき、正直驚きました。巨大な大屋根を架けたガラス張りの建物で、まるでプールか空港ターミナルのように見えたからです。国立国会図書館関西館、仙台メディアテーク、国立新美術館。。。公共建築でも建築家の取組み次第でこれほどまで変われるものなのですね。

kyukoku01.jpg

kyukoku02.jpg

大宰府へは、天神から西鉄大牟田線に乗り、乗換えを含めて30分弱でしょうか。駅を下りると、太宰府天満宮への参道が駅前から続いていて、道の両側に土産物屋がぎっしり並んでいます。5分ほど歩くと、大宰府天満宮です。参拝を済ませた後、おみくじを引き、そして九州国立博物館へ。
天満宮の右側には小さな遊園地があり、その先に博物館へと上がるエスカレータの入口があります(博物館は斜面の上のほうにあります)。したがって、太宰府天満宮を参拝した後、美術館の全景をほとんど目にすることなくエスカレーターで機械的に運ばれてしまう動線になっていて、入口の手前まで上がって初めて、美術館とご対面します。私は博物館の全景が見たかったので、エスカレータは使わず、裏手に回って徒歩で上がりました(大した坂でもないので)。
下から見上げると、大屋根のブルーが青空とシンクロして見えます。最初は、ずいぶんどぎついブルーだと思いましたが、現地で見ると、不思議と周囲の景観と調和して見えます。この大屋根のなだらかなラインは、周囲の山々に溶け込ませることも意図していたのでしょう。
そして、到着。大きさに圧倒されます。持っていたデジカメで全景は撮れませんでした。サッカー場がすっぽり入ってしまうほどの大きさなのですから、無理もありません。
冒頭の写真は、博物館のHPからお借りしたものです。

kyukoku03.jpg

内部に足を踏み入れた瞬間、そこは大きなアトリウム。チケットを購入して右側に進むと、3・4階の展示室へと向かうエスカレーターがあり、全面ガラス張りの妻面に沿って上がっていきます。このガラス壁はダブルスキン構造で、内部には冷媒が循環していて、ところどころ換気スリットが設けられています。一年を通じて一定の温湿度を維持できるように、機械設備だけでなく建築的な工夫が随所に施されています。

kyukoku04.jpg

kyukoku05.jpg

九州国立博物館の内装は、木がふんだんに使われています。天井には間伐材が一定ピッチで配され、行灯のようなガラス内壁の上部には集成材の太い架構が組まれています。そして、展示空間も床・壁・天井が木という徹底ぶり。ちなみに、お手洗いも木の内装で、とても美しい(写真を撮りたかったのですが、ひっきりなしに人が出入りしていて撮れませんでした)

kyukoku06.jpg

階段の途中からホールを見下ろしたところ。ホールに展示されている巨大な博多祇園山笠の頂部が映っています。こんなに大きなオブジェが街中をねり歩く様は、さぞ勇壮なことでしょう。

kyukoku07.jpg

階段の途中から3階の展示室入口を見上げたところです。4階が常設展、3階が特別展でした。

「アジアと日本の交流」というテーマで構成されているので、その方面に興味のある方は、ぜひ一度、訪れてみることをお奨めします。



スポンサーサイト

大都会のオアシス-アクロス福岡

ヒートアイランド対策などもっともらしい理屈をつけて、屋上や壁面を緑化する建築がやけに増えていますが、補助金を当てにした中途半端な緑化とは一線を画し、気合の入りまくった究極の緑化建築ともいうべき建築が博多にあります。
『アクロス福岡』-かねてより見てみたかった実物にお目にかかる機会に恵まれました。

accross01.jpg

不夜城の中洲も、一夜が明け、つかの間の落ち着きを取り戻したところでしょうか(近くには、橋の欄干にもたれかかったまま爆睡しているお兄さんもいましたが)。さて、中洲にかかる橋のたもとから対岸を見ると、川沿いの料亭の裏側にはサラ金やらホテルやらがびっしり立ち並んでいて、その谷間に、そこだけ森のように見える箇所があります。あれ何だろうって感じですね。

ちなみに、このスポットからは、こんな光景も目にします。

accross09.jpg

そう、かの著名なイタリアンアーキテクト、アルド・ロッシがデザインした「ホテル イル・パラッツォ」です。15年たってもまったく色あせない秀逸なデザインが、無神経な看板で殺されてしまっています。悲しいの一言。まったく看板製作業者のセンスを疑う(君だって一応デザイナーなんでしょ?)

さて、本題のアクロス福岡に戻りましょう。橋を渡り、建物に接近すべく歩いていくと、やがて運河にぶつかり、そこから建物の全景が目に飛び込んできます。

accross03.jpg

ひな壇のようにセットバックが連続し、そのすべてが緑に覆われています。中央には半円筒形のアトリウムが緑の間から顔をのぞかせています。そう、橋の上から見えた緑の正体は、これだったのです。
建物全体を覆うほどの豊かな緑に覆われた建築を目の前にして、しばらく考え込んでしまいました。なかなか言葉に出来ない、圧倒的な存在感が迫ってきます。

accross04.jpg

記録的な暑さだった2007年。東京も暑かったですが、福岡は湿気のせいでしょうか、ねっとりするような暑さでした。でも、アクロス福岡のそばに佇んでいると、不思議と暑さを忘れるような気がしました。理屈だけでは説明できない、緑の効果というものを感じます。
カラスが巣を作っているのでしょうか、頻繁に「離発着」を繰り返していました。

そして、さらに近づいて見上げてみると。。。

accross05.jpg

accross06.jpg

まるで山を見上げるような感じです。本当に自然の山のように見えるのです。山登りが趣味の私は、思わず本能的に登りたくなってしまいます。実際のところ、設計者(日本設計・竹中工務店JV)は、地上1階から13階までのヴォリュームを自然の山のようにつくろうと、「天神岳」と呼んでいたそうです。
1995年の竣工当初の写真を見ると、コンクリートのひな壇に植物が植えてあるという感じでしたが、今は緑に覆われてコンクリートはほとんど見えません。デザイナーが構想した、天神岳ならぬ緑のピラミッドは、10年の歳月を経て、ほぼ完成の域に達したと言えるかもしれません。

accross07.jpg

内部に入り、ガラスのアトリウムを下から見上げたところです。ガラスの外側に植栽が見えますね。

accross08.jpg

ただ、ちょっと気になるシーンも発見してしまいました。1階、つまり最下層のステップガーデンから、水が染み出しています。
この建物の排水は、最上部に降った水が土を浸透し、一段下のステップガーデンへと伝っていき、最下層から排水される仕組みになっているので、下部に行くほど排水の負担が大きくなります。
緑化の大敵はやはり排水で、どこかで詰まってしまえば、水はどこか弱いところに逃げ道を探し、そこから流れ出てきます。打放しコンクリートは実に美しく打たれていましたが、いくらコンクリートを密実に打設しても、排水圧にはかなわなかった、のでしょう。補修せずにいるところを見ると、これもまた、『緑と水と共生する建築』のひとつの姿なんだよ、ということなのかもしれません。

accross02.jpg

アクロス福岡を見るには、天神駅が便利です。西鉄天神駅前の大通りをまっすぐ進むと、じきに両側のビルの間から、その雄姿が突然現れ、圧倒されます。都市の中の緑のピラミッド、まさに百聞は一見にしかず、でした。


八女福島-武士と職人と商人が交差した往還

yame01.jpg

博多から九州自動車道で熊本方面に20分ほど走り、久留米ICの次で高速を下りると、そこは福岡県八女市。鉄道駅から遠いこともあって開発の手から逃れたのでしょうか、伝統的でノスタルジーあふれる八女福島の街並みが旅人を迎えてくれます。故郷に帰ってくるって、こういう気分なのかもしれません(故郷のない私には理解できませんが)。

yame02.jpg

yame03.jpg

yame04.jpg

全国一の生産量を誇るという八女提灯。街並みを歩くと、美しい提灯が飾られたショーウィンドをいくつも目にします。薄紙の手すき和紙を使って内部を透かし、花鳥や山水などを描いた「涼み提灯」は、実に優雅で繊細、思わずじっと見入ってしまいます。八女には紙漉きの伝統工芸もあるのですね。大正時代以降は八女提灯独特の盆提灯が主流となり、現在では祭礼用や広告用の提灯なども生産されているとか。

yame05.jpg

こちらは仏壇屋さん。江戸末期から明治、大正期には、和紙、櫨蝋、提灯、仏壇、石工品、茶、林業などの産業で栄えました。旧往還道沿いには、これらの商人や職人の町屋がずらりと並んでいたのでしょう、その名残を十分に味わうことができます。

yame06.jpg

旧市街(?)への入口にあたるところに、おそらくご当地では唯一の洋風建築が建っています。今はリニューアルされて喫茶店になっています。この洋風建築の左右に伝統的な建物が立ち並ぶ旧往還が走っていて、すぐ隣には「堺屋」があります。
「堺屋」の屋号で酒造業を営んでいた、明治41年築の旧木下家住宅で、現在は一般公開されています。屋久杉の一枚板で作られた欄間や、紫檀の床框などは、見とれてしまうほど。文芸評論家の山本健吉さんの遺品を集めた夢中落花文庫もあります。

yame07.jpg

yame08.jpg

yame17.jpg

八女の街並みは、白壁妻入の民家が通りに面してぎっしりと立ち並んでいて、九州北部は同じような形の街並みが多いようです。同じく重伝建に指定されている兵庫県の篠山と似たイメージですね。基本は妻入ですが、角地に立つ建物は入母屋の変形で、変化に富んだつくりになっています。

yame09.jpg

1階部分をメーソンリー風にした和洋折衷の商店。このあたりではあまり見かけない材料のようですが、どこから調達したのでしょうか。

yame13.jpg

木造3階建の町屋もいくつか見受けられました。こちらも提灯屋さんです。

yame12.jpg

こちらは珍しい切妻の3階建。下妻かまぼこ店の店舗兼工場。かなり大きな建物です。

yame14.jpg

小さな造り酒屋。このあたりは、城下町の名残である枡形を見ることができます。

yame15.jpg

妻面全体を赤れんがの防火壁で覆った町屋。過去に何度も火災被害をこうむってきた証左です。

yame16.jpg

旧市街と新市街を隔てる通り沿いで見かけた謎の建物。かなり大きいですが、今は使われていないようです。かつて旅館か何かだったのでしょうか。

yame11.jpg

yame10.jpg

最後に、「喜多屋」。
いわゆる「造り酒屋建築」は全国の古い町並みを歩くと大抵お目にかかりますが、これほどまでに端正で美しく保存されている建物は、そうはないと思います。八女を訪れたら、必見です。

テーマ : レトロを巡る旅
ジャンル : 旅行

カテゴリー
プロフィール

fabio777

Author:fabio777
古民家での晴耕雨読な暮らしに憧れる軟弱な熊谷都民。

月別アーカイブ
ブログ検索
FC2カウンター
原発のない世の中へ!
【署名のお願い】自然エネルギー100%と原発の段階的廃止を実現するため「エネルギー基本計画」を変えよう!
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
リンク
RSSフィード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。