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松本龍震災復興担当相はなぜ辞めたのか?

松本龍震災復興担当相が辞任した。
これには驚いた。
大阪府の橋下さんは「政治家としての意見を素直に述べただけ。謝罪したのだし,別にやめる必要はない」と言っていたが,私もそう思う。

確かに,彼の言い方にはトゲがあった。被災地の方であればなおさら,彼の言葉のトゲは鋭く突き刺さったに違いない。それはよくわかる。でも,それと大臣辞任とは,次元の違う話じゃないだろうか。

おそらく彼の辞任に疑問を持つ人間は,10000人に1人くらいでしかないだろう。でも,彼は本当にやめるべきだったのかどうか,もっと考えてみてもいいのではないか,と思うのだ。以下,10000人の中の1人として,少し考えてみたい。うざければ,他にいってください。

「知恵を出さない奴は助けない」

これは,まったくの正論だと思う。

自民党政権時代,地方の都道府県の県議やら市議やらが日本中から上京し,霞ヶ関の中央官庁の担当部局の廊下に行列を作り,ハチマキとプラカードで陳情合戦を繰り広げていた。新幹線も高速道路もダムもトンネルも原発も,そんな構図の中でつくられてきた。いつの間にか,地方は中央からの地方交付金や補助金なしにはやっていけなくなってしまった。そうかと言って,国からカネが転がり込むと,今度は身の丈に合わないハコモノを造り始める。破綻した夕張がいい例である。

地方地方というけど,十把ひとからげにはできない。小さいながらも,ハコモノ行政には手を出さず,住民同士,知恵を出し合って工夫しながらやっている自治体も多いと思う。これからは,国からの補助を期待せず,小さいながらも知恵を出し合って模索していく時代なのだろうと思う。若干30歳で東京都職員から夕張市長となった青年市長のように。彼は今,住民と対話しながら,懸命に知恵をひねっているはずだ。

原発の問題と絡めるのは不謹慎かもしれないが,こういうご時勢なので,お許しいただきたい。
鎌田さんの原発本を読んでいたとき,「高レベル核廃棄物に,低レベル町議」という言葉を目にした。
電力会社の地元買収,過疎地の地元町議の「交付金」目当ての原発誘致。
原発立地は,常にカネにまみれていた。

そして,そこには,「知恵」というものがあまり感じられない。
原発がくればいい暮らしができる,道路も立派になる,立派な公民館ができる,学校もできる。雇用も生まれる。
それを信じて,疑心暗鬼の末に,地元住民は原発を受け入れてきた。
でも,原発に賛成か反対か,だけでは,そこに「知恵」が生まれる余地はない。
知恵が出なくなれば,それは思考停止を意味する。

過疎地なりに,知恵を出して,自治体を運営していくことは,やりようによっては可能なんだろうと思う。

福島県の矢祭町は,観光地でもなく,これといった産業もなく,高齢化が進み,書店が町に1軒しかないような過疎地だけど,それを逆手にとって,全国に古い図書の寄贈を呼びかけたところ,職員がてんてこまいするくらいの図書が全国各地から集まった。予算を掛けずして,町民にいろいろな本を読んでもらうことができるようになった。

原発を受け入れた地方交付金で立派な図書館を作っても,住民に読んでもらえなければ始まらない。

他にも,海外の自治体と姉妹都市になって交流を深める,大学や企業の研究所を誘致する,田舎暮らしの志願者を都心から受け入れる,農家の作物をインターネットで販売する,とかいろいろなことをいろいろな地方なりに工夫しながらやっている。
もはや,中央政府を当てにしていては,生きてはいけない。みんな,そう思い始めている。

よって,「これからは知恵合戦だ,知恵を出さない奴は助けない」という発言は,とげがあることは認めつつ,でも,正論であることは間違いない。知恵を出さず,カネだけはもらって生き延びようという発想は,これからは通用しないと考えるべきじゃないのかな。でないと、日本もギリシャやポルトガルの後塵を拝してしまう。


「県内でコンセンサスを得ろ」

これも,まったくの正論であると思う。

復興特別区をめぐっては,推進したい知事側と,反対する漁協側の対立はけっこう根深いと思う。
特別区の考え方は,復興の全体像に基づく考え方であるのに対して,漁協側の反対は,自分たちの築いてきた生活の歴史や既得権,そうしたものが一体どうなってしまうのかという不安にある。おそらく,特別区の考え方は,考え方だけを聞けば,多くの人が納得するような,説得力のある考え方なんだと思う。しかし,それはあくまで「総論賛成」の世界であって,漁師の生活という「各論」から見たら,到底受け入れられないものなのだろう。反対するからには,反対すべき理由があって反対しているのだから。

おそらく,今後の復興は,すべてがこの「総論賛成,各論反対」の構図で進むのではないかと思う。日本経済の経済成長のために一日も復興を急ぎたい勢力は,生産力の復活こそ復興の柱だと考える。漁師や地域住民は違う。被災地には被災地におけるこれからの生活を自分で考えて決めていく権利と義務があるのである。

したがって,総論と各論をどうすり合わせるかという復興特別区の問題は,これからの復興を左右する,きわめて重要な試金石になると個人的には考える。これを宮城県内できちんと調整し,一本化できれば,いわゆる「宮城モデル」が確立され,霞ヶ関が宮城県を見る目も変わる。逆に,何も合意できずに,なし崩し的に場当たり的な復興が始まってしまえば,また中央官庁がしゃしゃり出てくる。

松本龍の発言は,一見,被災地を突き放しているように見えるかもしれない。
それは違う,と私は考える。
ここが勝負時だ,と彼は考えていた。
「民族自決権」ならぬ「地方自決権」なるものが,制度論とは別に,きちんと機能するのか。
それなくして「道州制」などと言い出すのは,本末転倒ではないか。
ここできちんと結果を出すことが,村井知事にとっても宮城県にとっても地域住民にとっても被災者にとっても,重要な転換点になる,というような漠然とした考えがあったのではないか,と個人的に推測するのであるが。

したがって、松本龍の一連の発言は、宮城に対する彼なりの熱いメッセージでもあったわけなんである。


いずれにしても,辞めてしまったものは仕方がない。

ここで,唐突ではあるが,松本龍をあの鳩山元首相と比べてみたら,どうだろう。
鳩山元首相は,普天間基地の辺野古移転について,米軍をも巻き込んでさんざん迷走させた挙句,何も出来ずにドタバタで辞任した。

彼は,「できれば国外,最低でも県外」と言っていた。
「辺野古の青い海を汚してはいけない」とも言っていた。
オバマさんに対しては「Trust me」とも言っていた。

これを真に受けた住民が悪い,なんて誰も言えないだろう。
政権交代した結果,一国の総理がここまで言ってくれているのだから。
淡い期待で胸がふくらんだことだろう。

で,結果はごらんのとおり。
かつての自民党案に戻っただけだった。

誰に対しても,ニコニコしながらいいことばかり言う人を,八方美人と呼ぶ。
誰にでもいい顔をするということは,結局,そのすべてを裏切ることになる。

松本龍と比べると,きわめて対極的ではないだろうか。

もし,鳩山が松本の立場だったら,どうだっただろう。
おそらく彼は,被災地を回っておじいちゃんおばあちゃんと手を握り,漁協の人たちと対話集会を開き,彼らが涙を流して訴えることに耳を傾け,「私に任せてください。あなたがたの思いを私に託してください。きっと実現させて見せます。ともにがんばっていきましょう」というようなことを口にするに違いない。

松本は,鳩山的な,人に迎合するようなことはいっさい言わないと思う。
したがって、被災者の受けはよくない。
もともと、受けをねらったリップサービスはいっさいしないから。

政治はサービス業とはわけが違うんだし。

まあ,今日のメシをどうするかで頭がいっぱいの被災地の方に,「知恵を出せ」はないだろうとは思う。
でも,マクロ的に言えば,知恵を出さなければ,これから生きていけないのだ。
鳩山的な発言を信じたって,国は責任を取るはずないのである。

辺野古のゴタゴタから私たちが得られた唯一と言ってもいい教訓は、

政治家の言うことを決して真に受けてはいけない

ということである。
それは、鳩山についても言えるし、松本についても言えることである。

その政治家が本当に言わんとしていることは何なのか、一歩引いて考えてみなきゃいけない。
言葉尻だけをとらえて一喜一憂しているようではいかんのである。
前原さんも「政治はポピュリズムであってはいけない」と言ってるし。

そして。
復興計画というけれど,ある意味,総論なんて,誰でも作れるさ。
偉い先生が冷房の利いた部屋で机上の(空)論を並べていれば、それらしきものは出来てしまう。
それを各論レベルで実行に移すのが政治の仕事じゃん。

復旧復興は,総論と各論の果てのないぶつかりあいである。
つまりは,ひとつの戦争なんである。

永田町の政争なんて愚の骨頂。復旧復興は,本気で,ガチで議論しなきゃいけないんである。
徹底してリアリズムに徹しなければ,夢だけ見てるだけでは,復旧復興なんてできっこないんである。

松本はリアリストなんである。
そして,この震災を乗り切るには,強烈なリアリストが不可欠なんである。


以上のように考えてみるのだが,いかがなものであろうか。

ちなみに,村井知事の数分の遅刻に説教を垂れたのは,やめてほしかったな。
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