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岡本太郎が撮った「日本」

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若き日の岡本太郎さんが、芸術新潮の「芸術風土記」の連載で、カメラ片手に秋田から沖縄まで日本各地を旅して撮り続けたモノクロ写真集。

「ギロリッ」
それにしても凄い表紙。。。。たぶん太郎さんのアイディアでこうなったんだろうけど、出版社としてはちょっとビビりますよね。
東京・南青山にある岡本太郎記念館を訪ねたときに買い求めたもの。この記念館は、太郎さんが生前アトリエ兼住居として使っていた建物で、今もアトリエが往時のままの姿で残され、庭にはオブジェが並んでいいます。ものづくりの現場を見るのが好きな私としては、一日中いても飽きない雰囲気でした。今にも本人が現れそうで。
どうしても「太陽の塔」「芸術は爆発だー」のイメージが強すぎる太郎さんですが、実は写真家でもあったのですね。18歳でパリ留学していた当時、かのマン・レイに手ほどきを受け、無名だったロバート・キャパとも親交があったそうですから、その腕前は並大抵ではなかったことがわかります。

彼の彫刻のモチーフのひとつである「縄文」。彼の「ギロリッ」の先に映っていたもの、それは日本の最深部ともいうべき「縄文」の世界でした。重くて面倒くさいから露出計も持たないし、暗いところで距離も光量も適当に撮っていたらしいのですが、それでも現像するとピントは完璧に合っていたといいますから、天才肌、というか天才そのものだったわけですね。

ものすごい力強いというか、ファインダーに映し出された人たちの表情が印象的。カメラが捉えたさりげない横顔に生命観が躍動しています。

この素朴な力強さはいったい何?

思うに、この芸術風土記ツアーは、内なる「縄文的なるもの」を追い求める旅で、彼の目に「縄文的」に見えたものを、本能が赴くままに片っ端からフィルムに収めていったのでしょう。こうしてみると、日本の風景が、縄文時代から綿々と連なる時間の蓄積の上にあるということが実感できる気がします。渡来人が中心となって大和政権を形作るはるか以前から、日本には独特な世界観が宿っていたのかもしれませんね。


岡本敏子・山下裕二 編
毎日新聞社
定価 1,400円 

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テーマ : レトロを巡る旅
ジャンル : 旅行

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