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大都会のオアシス-アクロス福岡

ヒートアイランド対策などもっともらしい理屈をつけて、屋上や壁面を緑化する建築がやけに増えていますが、補助金を当てにした中途半端な緑化とは一線を画し、気合の入りまくった究極の緑化建築ともいうべき建築が博多にあります。
『アクロス福岡』-かねてより見てみたかった実物にお目にかかる機会に恵まれました。

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不夜城の中洲も、一夜が明け、つかの間の落ち着きを取り戻したところでしょうか(近くには、橋の欄干にもたれかかったまま爆睡しているお兄さんもいましたが)。さて、中洲にかかる橋のたもとから対岸を見ると、川沿いの料亭の裏側にはサラ金やらホテルやらがびっしり立ち並んでいて、その谷間に、そこだけ森のように見える箇所があります。あれ何だろうって感じですね。

ちなみに、このスポットからは、こんな光景も目にします。

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そう、かの著名なイタリアンアーキテクト、アルド・ロッシがデザインした「ホテル イル・パラッツォ」です。15年たってもまったく色あせない秀逸なデザインが、無神経な看板で殺されてしまっています。悲しいの一言。まったく看板製作業者のセンスを疑う(君だって一応デザイナーなんでしょ?)

さて、本題のアクロス福岡に戻りましょう。橋を渡り、建物に接近すべく歩いていくと、やがて運河にぶつかり、そこから建物の全景が目に飛び込んできます。

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ひな壇のようにセットバックが連続し、そのすべてが緑に覆われています。中央には半円筒形のアトリウムが緑の間から顔をのぞかせています。そう、橋の上から見えた緑の正体は、これだったのです。
建物全体を覆うほどの豊かな緑に覆われた建築を目の前にして、しばらく考え込んでしまいました。なかなか言葉に出来ない、圧倒的な存在感が迫ってきます。

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記録的な暑さだった2007年。東京も暑かったですが、福岡は湿気のせいでしょうか、ねっとりするような暑さでした。でも、アクロス福岡のそばに佇んでいると、不思議と暑さを忘れるような気がしました。理屈だけでは説明できない、緑の効果というものを感じます。
カラスが巣を作っているのでしょうか、頻繁に「離発着」を繰り返していました。

そして、さらに近づいて見上げてみると。。。

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まるで山を見上げるような感じです。本当に自然の山のように見えるのです。山登りが趣味の私は、思わず本能的に登りたくなってしまいます。実際のところ、設計者(日本設計・竹中工務店JV)は、地上1階から13階までのヴォリュームを自然の山のようにつくろうと、「天神岳」と呼んでいたそうです。
1995年の竣工当初の写真を見ると、コンクリートのひな壇に植物が植えてあるという感じでしたが、今は緑に覆われてコンクリートはほとんど見えません。デザイナーが構想した、天神岳ならぬ緑のピラミッドは、10年の歳月を経て、ほぼ完成の域に達したと言えるかもしれません。

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内部に入り、ガラスのアトリウムを下から見上げたところです。ガラスの外側に植栽が見えますね。

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ただ、ちょっと気になるシーンも発見してしまいました。1階、つまり最下層のステップガーデンから、水が染み出しています。
この建物の排水は、最上部に降った水が土を浸透し、一段下のステップガーデンへと伝っていき、最下層から排水される仕組みになっているので、下部に行くほど排水の負担が大きくなります。
緑化の大敵はやはり排水で、どこかで詰まってしまえば、水はどこか弱いところに逃げ道を探し、そこから流れ出てきます。打放しコンクリートは実に美しく打たれていましたが、いくらコンクリートを密実に打設しても、排水圧にはかなわなかった、のでしょう。補修せずにいるところを見ると、これもまた、『緑と水と共生する建築』のひとつの姿なんだよ、ということなのかもしれません。

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アクロス福岡を見るには、天神駅が便利です。西鉄天神駅前の大通りをまっすぐ進むと、じきに両側のビルの間から、その雄姿が突然現れ、圧倒されます。都市の中の緑のピラミッド、まさに百聞は一見にしかず、でした。


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アーキテクトアーキテクト()には以下の意味がある。* 建築家なお、建築家の職分の中でもマスターアーキテクト、エンジニアアーキテクト、ランドスケープアーキテクト、のような用例は、そのままカタカナ表記で使用している。 情報技術|IT業界において、ソフトウェア工学に熟

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