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ヴェニスの商人

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ヨーロッパの文芸ないし歴史ものの映画作品は、背景となる風景の美にこだわって製作されているものが多いと思いますが、このヴェニスの商人も、その中で見逃せないもののひとつでしょう。
舞台は16世紀のヴェニス。冒頭から、貿易で栄えるヴェニスの街並みと、そこに生きる商人や女たちの生活がスクリーンいっぱいに描き出されます。その美しい街並みに見入っていると、やがて、ひとりの年老いたユダヤ人が画面に映し出されます。人々は彼をユダヤ人め、とののしって露骨な迫害を始めます。
イエス・キリストの存在を信じないユダヤ人たちは、このようにキリスト教徒に理不尽に差別されながら、ゲットーの中で高利貸しなどをして暮らしてきたのでしょう。

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ある日、若きバッサーニオは、金持ちの娘である美しいポーシャに求婚するため、親友のアントニオに借金を頼みます。アントニオはあいにく全財産を船で輸送中でしたが、親友の頼みでもあることだし、仕方なくユダヤ人のシャイロックを紹介しますが、このシャイロックこそ、映画の冒頭で人々から罵倒されていた老人その人だったのです。
シャイロックは、無利子で金を貸す代わりに、3ヶ月以内に返済できなければアントニオの肉1ポンドをもらう、という奇妙なことを言い出します。アントニオの財産をあてにしていたバッサーニオは、もしアントニオの船が難破したらどうなるかを考えもせず、その条件を受け入れてしまいます。

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赤い帽子をかぶったアル・パチーノ演じるシャイロック。その屈折した人間像を実にリアルに演じきっています。アントニオと対決する裁判のシーンは、思わず唾を飲み込むほどの緊張感がみなぎっていました。
それにしても、ユダヤ教から出発したキリスト教は世界三大宗教としての地位を確立したのに対し、ユダヤ教は21世紀の現在まで、ひとつの民族宗教に過ぎません。20世紀にイギリスの主導でイスラエルという国家が確立されるまで、自身の国を持つことも出来ず、世界に分散して独自のネットワークを作り、頑ななまでに律法を信じ、民族の団結の中で生きてきた、その優越感と屈辱感とが交差する複雑さが、この裁判のシーンを通してひしひしと伝わってきます。

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そして、パサーニオが求愛した金持ちの娘ポーシャ。大学で法律を学んでいた彼女は、ただ美しいだけではなく、実に機知に富んだ聡明な女性でした。彼女の機転が、すべてを望ましい方向へと導いていくのでした。

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さて、日本人も大好きなヴェネチアの風景。多くの名画が描かれた世界有数の美しい風景は、とにかくため息が出るくらいに芸術的。こんな街に暮らせる人たちって本当に幸せだろうと思います。最近は水位が上がり、洪水のたびに大変な思いをしているようですが、世界史的な歴史遺産ですし、何とかして今の都市を維持していきたいですね。
室内のシーンはルクセンブルクで撮影されたようですが、ヴェネツィアのシンボルの運河を行きかう船はもちろん、リアルト橋やサン・マルコ広場、さらには世界遺産のドゥカーレ宮殿でも撮影されているそうです。

アメリカ・イタリア・ルクセンブルグ合作
監督:マイケル・ラドフォード
出演:アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズ、ジョセフ・ファインズ、リン・コリンズ
2004年作品


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