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原発列島を行く

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著者は「自動車絶望工場」で名高いフリーライターの鎌田慧さん。
2001年刊行なので、東海村の臨界事故の後、原発への疑惑が高まる中で、全国の原発の周辺地域を見て歩き、まとめたもの。以下、タイトルを列記してみよう。

中央に翻弄され続ける悲劇の村……青森県六ケ所村
首都移転とともに進む「処分場研究」……岐阜県東濃地区
遅れてきた無謀に抵抗する漁民の心意気……山口県上関町
活断層新発見に揺れる「諦めの感情」……島根県鹿島町
おこぼれにすがる原発中毒半島の悪習……福井県敦賀市
「金権力発電所」と闘い続ける「悪人たち」……愛媛県伊方町
カネに糸目つけぬ国策会社への抵抗……青森県大間町
ハーブと塩と核のごみ……石川県珠洲市
ロケットの島にうごめく不穏な野望……鹿児島県馬毛町
臨界事故のあとにはじまった軌道修正……茨城県東海村
30年前からつづく電力の「秘密工作」……鹿児島県川内市
貧すれば鈍す赤字市魔の選択……青森県むつ市・東通村
世界最大の原発地帯に吹くカネの暴風……新潟県柏崎市・刈羽村
矛盾吹き出す原発銀座の未来……福島県双葉町・富岡町
進出を阻止したあとの住民のダメ押し……新潟県巻町
精神を荒廃させる「植民地」経営……北海道泊村
反発強まる地震地帯の原発増設……静岡県浜岡町

これらのタイトルから連想されるように、原発業界がいかにブラックかを具体的に暴き出した本です。

とにかくカネで買収する

電力会社の地元買収は、徹底的に、カネ、カネ、さらにカネです。
噂に聞いてはいましたが、とにかくすごいもんであります。

おじいちゃんやおばあちゃんを何度も無料のバスツアーに誘い、飲み食いさせ、原発を見学させる。
町会議員や村役場の原発誘致担当を高級料亭で接待漬けにする。
反対派に気づかれないようにダミー会社を使ってこっそり土地を買い占めていく。
選挙のたびに原発推進派の候補に大量の札束がばらまかれる。
電力会社の社員たちが建設予定地の町や村に移住し、地元の冠婚葬祭にまめに出席するなどして地域社会に「侵入」し、反対派の切り崩し工作をする。
原発反対派の旦那が不在の時に「あくまで地質調査ですから」と言ってだまして同意書に判を押させ、離縁された挙句にうつになり自殺に追い込まれた奥さん。

こんな話がぞろぞろ出てきます。

鎌田さんの語り口は静かで、ルポライターとして、掘り起こした事実を淡々と記しています。
鎌田さんの言葉を借りれば、「原発絶望地帯」といったところでしょうか。

でも、そこに書かれている内容たるや、耳を疑いたくなるようなことばかり。
半端じゃなくひどいです。

原発を作ることで、法人税や地方交付金で、一時的に町や村の財政は潤うかもしれない。
住民もなにがしかの現ナマを得られるかもしれない。
だけど、原発は地域社会をズタズタに切り裂く。
電力会社の社員がスパイもどきのことをして、反対派を切り崩していくわけです。
そして、原発の誘致により企業は原発から離れていく。
住民は雇用を失い、原発の下請け労働をせざるを得なくなる。
やがて地方交付金が切れれば、次の原発を誘致するしかない。
まるで覚醒剤のように、原発は地域社会をむしばんでいく。

それにしても、電力会社は、どうして、ここまでして原発を作りたいのか。。。
ますます、疑念が湧いてきます。
でも、電力会社をここまでさせているのは、明らかに国です。
どうして、ここまでして電力会社に原発をつくらせるのか?


今日のニュースで、中部電力の社長が、7月までに、停止中の浜岡原発3号機を再稼働させる、と宣言していました。おいおい、正気かよ、と誰でも思うのではないでしょうか。しかも、静岡県の川勝知事が「この状況ではありえないことだ」と言っているのです。地元住民の民意の代表である知事の言葉を無視して強行突破するつもりなのでしょうか。

東京電力が今、未曽有の大震災で、企業存続にかかわる巨額賠償を迫られています。
浜岡原発は、東海・東南海地震がいつ起きてもおかしくないところで、活断層の直上に立っています。耐震強度が著しく低く、津波にも弱い。
東海地震が来たら、ひとたまりもなく、東京電力に勝るとも劣らない巨額賠償を課せられる運命にあります。

中部電力の社員たちはさぞビビっていることでしょう。
東京電力の二の舞はごめんだ、というのが本音のはず。
中部電力の社長は、どうせ原子力賠償法に免責規定があるんだから、最後は国が面倒見るのが当然だ、と思っているのでしょうか。だとしたら、モラルハザードもはなはだしい。

止められるものなら、本当は止めたい。
だけど、止めるに止められない。
やはり、政治家と国と電力会社と産業界と学会が一蓮托生となっているから、なのか。



本書を読む限り、原発産業は限りなくブラックです。
ブラックな事業に手を染めている電力会社も、ブラック企業ということになります。
だけど、わたしたちはその限りなくブラックな企業から電気を買わなければ生活していけません。
なんともパラドキシカルな状況に陥ってしまいました。

わたしたち一人一人は、どのように考え、この問題に向き合えばよいのでしょうか。
自分たちに何かできることはないのでしょうか。
わからないことだらけですね~。
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