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くまがやドームは、どうなる?

このたびの雪害で、全国ニュースでは報じられていない被害がまだまだありそうです。
その代表格が、私の住む熊谷市にある「くまがやドーム」。
ランドマーク的な超高層がない熊谷では、シンボル的な構造物です。

今年二度目の大雪の際、月曜日の朝、地元の被害が知りたくて、普段滅多に買わない「埼玉新聞」をキオスクで買いました。電車の中で、社会面を広げて、びっくり仰天しました。
 ↓
くまがやドームの屋根、ほぼ全壊 残雪や強風影響で


kumagayadome.jpg
残った雪や強風の影響で屋根がほぼ全壊した=16日午後4時ごろ、熊谷市上川上の「彩の国くまがやドーム」

雪の重みで屋根が裂けた熊谷市の「彩の国くまがやドーム」では、残った雪や強風の影響で被害が拡大し、樹脂コーティングガラス繊維膜でできた屋根がほぼ全壊した。
15日時点での被害規模は幅約50メートル、長さ約100メートルだったが、16日時点では強風の影響などもあって幅約80メートル、長さ約150メートルまでに広がった。今後の復旧のめどは立っていないという。
熊谷市は16日、災害対策本部の設置を決定。被害状況を確認するとともに、幹線道路を優先的に除雪作業を進める。担当者は「これほど前例のない雪の被害は想定していなかった」と話している。
埼玉新聞 2月17日(月)13時22分配信

富士見市の体育館は屋根全体の崩壊でしたが、くまがやドームでは膜材の破断と言うのが正しいのではないでしょうか。
現地を見に行ったわけではありませんが、写真で見る限り、屋根を支える金属部材は破損していないように見えます。
「屋根がほぼ全壊した」というのは、違和感があります。

くまがやドームについては、受注したゼネコンのサイトなどで詳しく紹介されています。
 ↓
こちら

そもそも、この「くまがやドーム」、有名な構造設計者である梅沢良三氏の設計によるもので、日本の構造設計の粋を集めた、きわめて高度な構造です。
優れた建築構造設計者だけが加盟できる「日本建築構造技術者協会」(JSCA)において、JSCA賞も受賞しています。
 ↓
こちら

構造設計の考え方が詳しく書かれていますが、素人が理解できるかどうかはともかく、膜屋根と金属屋根のハイブリッドという、非常に考え抜かれたデリケートな構造であることがわかります。
ただし、構造の設計というのは荷重の設定から始まるわけです。
想定する荷重次第で、構造のバランスはまったく違ったものになります。
上記の文章では、雪荷重については残念ながら言及されていません。
そもそも膜構造では、主に風荷重で構造が決まると言われているわけだし、雪荷重をどう支持するか、素人が常識的に考えても相当に難しいはずです。
今回の積雪は「想定外」そのもので、特に熊谷は、年間の晴天日数が全国的にも有数で、そんなところで1m近い雪荷重など想定するはずがありません。
降雪後の雨で雪が水分を含んで重くなったことも、大きな原因だったでしょう。
金属部材が座屈しているとは思えないので、現象としては、単純に、テフロン膜材が積雪荷重に耐えられずに破れたということなのかな。

だとすると、日本初の本格的なエアドームの東京ドームは、これだけの積雪に果たして耐えられるのでしょうか。空気圧だけで、これだけの雪の重さを支えられるのか。。。素朴な疑問を抱きます。

積雪地のドームとしては、秋田の大館樹海ドーム、富山や出雲のドームがありますが、いずれも勾配を大きくして雪が積もらないようにする、積もる前に落とすことを基本的な考え方にしているようです(もちろん、積雪地相応の雪荷重を見込んだ上で)。
くまがやドームの優雅さは、屋根のなだらかな形状にあります。雪がない地域だからこそ、こういう形が可能になったのでしょう。


さて、問題は、「くまがやドーム」をこれからどうするかです。

こんな爆弾低気圧が何度も来て、大雪が頻発するようであれば、膜による再建は難しそうですね。
ただ、金属屋根部分が健全なまま残っているのに、すべて撤去して別の構造の屋根を架けるのは、コスト的にもありえない話です。
だとすると、今の残存している金属屋根をベースに、テフロン膜の耐雪性能を設計し直すしかないのかな。
テフロンの引張強度を高めるため、多少、透明度が落ちるのは覚悟でガチガチに補強するとか。
テフロン膜と金属部材の接合強度を高めるとか。
融雪機能を盛り込むとか。
積もった雪が滑りやすい表面性状にするとか。
いずれにしても、カネがかかるのは避けられない。

いずれにしても、JSCAの先生方が現地視察し、しかるべき再建策を提示してくれるのを待つしかありません。


優れた構造とは、「安全率」という曖昧な逃げ道を可能な限り排し、明確な構造コンセプトを合理的に追求したもの。
考え抜かれた優れた構造であるほど、まったく想定しなかった原因で、足をすくわれやすい、のかもしれない。
ある意味、普通の構造は、多少の安全率を無意識に盛り込んでいるので、有事の際にも致命的な被害にはなりにくい。


好事魔多し、というべきなのか。

なにせ、熊谷のシンボルです。
何としても、かつての優雅で美しい姿を取り戻してほしいと願います。

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テーマ : 地震・天災・自然災害
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