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日本ばちかん巡り

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 書店の店頭で最初、「日本ばかちん巡り」と読んでしまいました。
何の本やねん、と手に取ったら、ああ「ばかちん」じゃなくて、「ばちかん」だったのね。要するに、日本の新興宗教のルポルタージュというわけ。新興宗教は全国に驚くほど多く存在します。それらを丹念に取材するなら、それこそ日本中を旅することになるでしょう。それにしても、日本人が無宗教だなんて、誰が言い始めたのでしょうか。これだけのなんとか教が林立しているにもかかわらず。。。

 本書は、合計13の教団ないし宗派を取材し、著者が実際に内部に入り込んで、目で見たこと、信者や幹部と話したことなどを中心に、あくまでイチゲンの目で書いたもの。難解そうな教義などは二の次で、教祖はどういう人か、信者がどういう生活をしているかなど、著者なりの視点を通して、個々の教団の特徴や概略のアウトラインが何となくわかります。この調子ですべての教団を取材できれば、一大ニッポン新興宗教図鑑ができあがりそうですが、そうは問屋が卸しません。新興宗教はなかなか取材に応じないところが多く、本書を見ても、誰でも知っている巨大教団が入っていなかったりします。

 このブログのお題は「風景」「街並み」であって、それを「新興宗教」に無理にこじつけるつもりはないけれど、以前から強い関心を持っていたのが、日本で唯一の宗教都市、奈良県天理市です。本書でも二番目に取り上げられ、きっと著者の関心度も高かったに違いありません。
 天理駅前に降り立つと、天理教特有の入母屋屋根を持つ中層RC建築物が団地のように整然と並んでいます。資本主義的な看板類はほとんど見当たりません。街には天理教の法被を着た老若男女が歩いています。宗教という枠の中で日常生活が回転しています。別の言い方をすれば、これだけ宗教が日常生活に根付いている土地もないのではないでしょうか。。。

 天理を唯一訪れたのは、今から12年前。初めて見る街並みに、私は思わず興奮し、すっかり舞い上がってしまいました。そして東京の友達に電話しました。「今、天理にいるんだけどさー、すごいところだよ。まさに宗教都市だよ、日本にいる気がしないよ。コンビニに入るとさあ、若いお姉ちゃんが法被着てレジ打ってるんだよ~」などと、見たこと感じたことを夢中になって、駅の公衆電話でしゃべりまくったのです。
 その日の夕方、京都に向かう途中、赤信号で停車中の私のクルマ(シビックフェリオSiR)に、後ろから生コン車が猛スピードで突っ込んできました。轟音とともに全身に衝撃を受け、つんのめって前のクルマに突っ込みました。ペシャンコになったクルマの中で、ケガがなかったのは、まさに奇跡。 ホテルでつくづく考えた挙句、思い当たったことは、あの天理教についての電話です。あれがいけなかったんだろうな、あんなことをいい気になってしゃべっていたから、た○○があったんだろう。。。
 教訓としては、どんな新興宗教であれ、それが宗教である以上、人の心を動かす影響力があるのであって、それを侮ることは何があっても許されない、ということです。人知を超えた宗教の力(?)を身をもって知ったということかもしれません。
 小さいかもしれないけど、こんなことも、宗教に接する上での「原体験」になったりします。それなりの敬意を持って個々の宗教に接する姿勢で本書を読むと、それぞれの教団にそれぞれの確固たる世界が築かれていることがわかります。イチゲンの目にはどんなに不可思議に映ろうと、立派な意義を持ち、信者の信仰に支えられた完結した世界が、そこにはあるわけであって。それを外部の人間があーだこーだ言うことは許されないし、する必要もないわけで、結局、「信じる者は救われる」ということに行き着くのでしょう。
 そう、ニッポンは決して無宗教国家などではありません。むしろ、世界に名だたる宗教大国なのです。新興宗教というと、AUMやら白装束やら社会と軋轢を起こす問題集団ばかりがテレビで取り上げられるけれど、本書を読む限り、多くの宗教は「おおらか」で、信者に過度な「帰依」を求めているわけでもなく、信者たちも人生を前向きに肯定して愉しむために気軽に宗教に接している(ような印象を受けます)。もっとも、それは今回の取材に応じた各宗教がそういう性格だったに過ぎないのかもしれないけど。天理市にしても、信者と非信者が摩擦を起こすこともなく、むしろとても仲良くやっている。天理市民だから入信しなきゃ、なんてことはまったくないようです。
つまり、いろいろな思想や価値観の人と共存できる素地を持つ宗教が各地に点在しているということを見ても、繰り返しになるけど、ニッポンは宗教国家なのですね。
だいぶ長くなっちゃった。
おわり。
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テーマ : レトロを巡る旅
ジャンル : 旅行

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古民家での晴耕雨読な暮らしに憧れる軟弱な熊谷都民。

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