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トムラウシ遭難 驚きの真実。。。

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「岳人」と「ヤマケイ」の両誌で、トムラウシ遭難事故の詳細をレポートしています。
まず「岳人」を買って、読んでみました。
そして、やっぱりなー的な部分と、本当かい!的な部分が交互に重なり合って、何ともやりきれない気持ちになりました。

驚いたのは、ツアーの形式、そして、ガイドの役割の曖昧さです。

まずツアーの形態については、新聞やニュースではほとんど触れられていなかったので情報がなかったのですが、今回のレポートで初めて詳しいことがわかりました。

「トコロテン方式の押し出し型ツアー」

記者が、このツアーを評した言葉です。どういうことかというと。。。

今回の遭難事故の最大の疑問というか謎は、少し前の記事でも書いたことなのですが、?悪天候なのにどうして無理に出発したのか、?どうしてテントがなかったのか の2点です。

このツアーは15人+ガイド3人の総勢18人で、山中では狭い避難小屋に2泊する日程でした。
実は、同じアミューズトラベルの主催で、ほぼ同規模のツアーが前後して組まれていて、先行組が出発した後、後続組が一日遅れで、同じ避難小屋に泊まる予定になっていたらしいのです。
そして、先行組は、10人用テントやらコンロやら鍋やらといったビバーク道具をほとんどすべて、この後続組のために、避難小屋に置いて、悪天候の中を出発した、ということらしいのです。

一体どういうことでしょうか。

旅行会社にとって、北海道の山岳ツアーはドル箱なのだそうです。
一人15万円×15人のツアーが2セットあれば、それだけで500万円近い売り上げになります。
そして、無人の避難小屋は金もかからない。
客を集めて、15人1組に振り分け、トロコテン方式にトムラウシに送り込めば、それだけで旅行会社の懐にはキャッシュがどんどん入ってくるわけです。

本来、テントを持って山を歩く人たちが、やむをえない場合に使う避難小屋を、ツアー会社が営利目的で使用しているわけです。これは果たして許されることなのでしょうか。そして、一部に出ているように『遭難者が出たのだから、もっと避難小屋を整備すべきだ』ということになれば、さらに、この立派な避難小屋を目当てにしたツアー業者が後を絶たなくなってきますよね。

無理に出発した理由は、多少の悪天候でも出発しなければ、後続組が翌日にはやってきて、40名近い大所帯となってしまい、30名が定員の避難小屋に客を収容できなくなってしまうから。

テントやコンロを置いていったのは、先行組が無事に下山した後に、後続組にこれらの資材を受け渡していたのでは日程的に間に合わなくなってしまうから。先行組の人たちの安全よりも、複数のツアーを同時に管理するための効率を第一に考えてのことだったわけです。

それから、ガイドが3人もいながら、てんでバラバラで、最後には30代の一番若いガイドがへばって、60代70代の客たちに「しっかりしろ」とカツを入れられる始末。記事を読む限り、ガイドたちの行動は、危機管理もへったくれもないどころか、限りなく疑惑に満ちています。生き残った2人のガイドは、体調不良を理由に警察の現場検証にも参加しなかったそうです。この人たち、何か隠しているな、という直感がピーンときます。

悪天候の中を無理して出発するというのに、後続組のためにテントを小屋に置いて出発したガイドたち。自分たちの生命も危うくなるかもしれないリスクに気づいていなかったのでしょうか。
それくらいの予測能力があれば、こんな無茶を強いる旅行会社とやりあっていたはずでしょう。
山のプロであるガイドたちが、こんなド素人もいいところのツアー会社の言いなりになってしまうのが理解できません。

報告している記者もかなりあきれ果てている様子でした。
正直、こんなツアーで亡くなってしまった方たちは、浮かばれないでしょう。
これでは、死にに行ったようなもんです。
明らかに、天災ではなく、人災だと思います。

ヤマケイもこれから読もうと思っています。
詳しいことを知りたい方は、それから、これから山岳ツアーに参加しようと思っている方は、ぜひ読んでおくとよいのではないでしょうか。

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テーマ : 登山・ハイキング
ジャンル : 旅行

一の沢-常念岳-蝶が岳-横尾

【コース】穂高駅-一の沢-常念岳-蝶が岳-横尾-上高地-松本駅

5連休となったシルバーウィーク。今年2月の足の怪我が長引いて、ずっとジョギングもできず、9月も半ばを過ぎて今年初めての山行となりました。
トレーニング不足とメタボ化による荷重増加が懸念されますが。。。

新宿発6:00の臨時特急あずさ71号に乗り、松本へ。大糸線の臨時快速に乗り換えて穂高駅で下車します。臨時快速は登山者で満杯だったのに、あいにく、タクシー相乗りできそうな奴が見当たらず、一人で一の沢の登山口へ。4,200円なり。予想よりも少し安かったです。

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安曇野の風景は心にしみこむというか、心が落ち着くというか、いつ来てもいいなあと思いますね。
(写真:abn長野朝日放送。自分の写真がなくて、ゴメンナサイ)

登山計画書を提出して、11時行動開始。最初は勾配が緩やかで、ウォーミングアップには最適です。山ノ神、王滝ベンチを過ぎ、笠原沢へ。ここで悲劇が起こります。おいしそうな沢の水を飲もうとしたところ、足が滑って沢の中へ…。膝から下が浸かっただけでしたが、なんと首から下げていたデジカメが水に漬かってしまいました。あーあ。あーあ。もう二度と動いてはくれなかったのでありました。

というわけで、以後はすべて携帯カメラの画像です。

気を取り直して足の中の水分を抜き,歩き始めます。次第に勾配がきつくなり,胸突八丁を過ぎ、最終水場まで来ると、すでにゼーゼーハーハー。
トレーニング不足で、いきなり幕営装備では、さすがにしんどいなあ。
そうこうするうち、やっとのことで森林限界を過ぎ,常念乗越へ。常念小屋の赤い屋根が見え、少しほっとしました。
時計を見るとすでに3時でした。今回はどうせリハビリ登山だし、コースタイムなんぞは度外視です。

小屋でテント受付を済ませ、奥のテン場にテントを設営すると、疲れが出たのか、しばし寝込んでしまいました。
目が醒めると、夕焼けの真っ最中。あわててテントから抜け出し、デジカメ、じゃなかった携帯カメラでパチリ。常念岳は槍ヶ岳の真向かいで、槍見には最高のポジションですね。幻想的です。

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満天の星空は、いつ見ても感動します。飽きるくらい堪能し、テントにもぐりこみましたが、テン場全体が傾いていて,よく眠れません。。風も強く、ウトウトしては、寒くて何度か目が醒め、そのうち夜明けが近づいてきました。見ると、常念岳にはヘッドライトの明かりがポツポツ。
早速テントを撤収し、食事を取って行動開始です。

常念岳(2857m)は遠くから見ても近くから見てもすごいボリューム感があって、一の沢登山口が1200mくらいなので、標高差は約1600mくらい。それほど楽じゃないですね。岩屑のジグザグ道はやがて岩稜となり、やっとのことで2857mの頂上にたどりつきました。

360度遮るもののない、感動のシーンです。

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槍ヶ岳が可愛く映っています

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ダイナミックな穂高岳の山並み

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麓には、穂高の町が広がっています

風が強く、人がどんどん登ってくるので、蝶が岳を目指します。蝶槍がけっこう遠くに見えます。
これから最低鞍部まで一気に400m下ります。貯金をすべてはたいてしまうような急な下り。登ってくる人は大変そう。
今度は一転,樹林帯の中のアップダウンを繰り返し,2512m、2592mの2つの小さいピークを越えます。右側には恐怖の一の俣谷。大小の滝が連続し,今は廃道になっているそうです。

小ピークを過ぎると、やがて,蝶槍(2664m)への登りにさしかかります。樹林帯を抜けると,意外にあっけなく着いてしまいました。ここでランチ。
常念小屋で買ったお弁当(といってもパンとベビーチーズと小さいポカリスエットの詰合せ)です。

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蝶槍から常念岳を振り返ります。右側が前常念岳(2661m)です。

蝶槍から横尾分岐を過ぎ、蝶が岳山頂(2677m)まではじきです。このへんの稜線歩きは本当に気持ちがよく、こんなダイナミックな眺めを堪能しながら歩ける、最高の道です。そして、昨日今日と本当に天気がよく、雲ひとつない青空です。よりによって、こんな日に、デジカメを壊してしまったのですから、よほど普段の行いが悪いということなのでしょうか。

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お昼には蝶が岳ヒュッテに到着。テント受付を済ませ、設営すると、まだ1時前。天気がよく、とても北アルプスの山上とは思えない陽気で、うとうと昼寝をむさぼります。そうこうするうちに、テント組が増えてきて、あっという間にこんな状況に。

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やがて迎える日没の時間。蝶が岳は本当に素晴らしい景色を堪能できます。まずは夕暮。

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ヒュッテ近くの「瞑想の丘」から眺める穂高の山々に、みな言葉を失っています。

夜は静かでした。風が強いところなのに、テントが揺れることはほとんどありませんでした。これほど穏やかな夜もあるんだなと思いました。そして、満天の星空。常念小屋と違って、ここは視界を遮るものがなく、まさにプラネタリウム状態。猟師など人並みはずれた驚異的な視力を持つ人たちの目には、いったいどのように映っているのでしょうか。

そして、やはり圧巻は夜明けです。

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朝日が昇る瞬間。歓声があがります。

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朝日で赤く染まる穂高の山々。モルゲンロートですね~。

楽しかった山もこれで終わり。あとは横尾に下りるだけです。
下山中、可愛い赤ちゃんを背負って槍見台まで登るという若いお母さんと出会いました。

河童橋は相変わらずの大混雑。紅葉シーズンはもっとすごそう。
上高地アルペンホテルでお風呂に入った後、バスターミナルへ。
国道158号線は、松本方面から上高地・平湯方面に向かうマイカーの列が行けども行けども数珠つなぎ、運転手さんも前代未聞とあきれるほどの大渋滞でした。

テーマ : 登山・ハイキング
ジャンル : 旅行

トムラウシ山大量遭難事件 続編

前回記事の続編です。

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テントなしで、寒さしのぐ=装備不十分で凍死か-
大雪山系遭難事故・北海道警
8月17日16時7分配信 時事通信

 北海道大雪山系の遭難事故で、9人が死亡したトムラウシ山(2141メートル)山頂近くで低体温症のためビバークした5人が、当初、簡易テントのツェルトのみで0度近い寒さをしのいでいたことが17日、道警への取材で分かった。道警は一行の人数に応じた十分な装備がなかったとみて調べている。
 一行はガイド3人と客15人。強い風雨にさらされるなどして、客数人が体調を崩したため、7月16日正午すぎ、ガイド2人と客5人は山頂付近でビバークした。残りは下山したが、ガイド1人がテントを持って下山組を率いたことから、ビバーク組はテントなしで救助を待つこととなった。
 道警によると、救助要請のため携帯電話が通じる場所を探していたビバーク組のガイドが、約1キロ先の南沼キャンプ地近くで非常用に置かれたテントやガスコンロなどを偶然発見。湯を沸かすなどして客の保温に努めたが、2人は凍死した。また、近くでビバークしていた別のガイドと客もテントがなく凍死した。 


この事故が起きたとき、不思議に思ったのは、どうしてテントを持っていなかったんだろう?ということでした。ガイドが自分たち用に担いでいたテント (したがって、全員は入れない) に重傷者を入れ、それでも凍死してしまったのだろうと思っていました。

ところがどっこい!

ニュースに映っていたテントは、山岳整備の方たちが非常用に張っていたものを偶然見つけ、中にストーブなどがあったのでちゃっかり使わせてもらった。。。ものだったのだそう。そして、唯一テントをかついでいたガイドは、先行組と一緒にさっさと下山してしまったのだとか。

あいた口がふさがらない とは、まさに、こーゆーことを言うのでしょう。

もしもこのテントが一般登山者が張ったものだったとしたら、アタックを終えて冷え切った身体を暖めようとテントに戻ったら、見ず知らずの集団が占拠していた、なんてことになってたわけで、さらに大問題となっていたことは間違いありません。

そして、もしこのテントがなかったら、さらに悲惨な事態になっていたわけです。

テントを持たずに北海道の山に入るって、そもそもありえる話でしょうか。
本州と違って山小屋はおろか、ろくすっぽ避難小屋さえない。
そんなところで悪天候に見舞われたら、死から救ってくれるのは、テントとストーブと防寒具と予備食料だけです。
 
テントを担いで山を歩く人間は、テントのありがたみをいやというほど知っています。
テントの中と外では、まさに天国と地獄です。
だから、多少重くても、無理して背負っていくわけですね。

つくづく、このツアーは謎が多いです。

ガイドさんの判断に注目が集まっていますが、思うに、このガイドさん、最初からあまりやる気がなかったように感じられて仕方がないです。おそらく、旅行会社から賃金をケチられたりして、しぶしぶ参加した、みたいな気がしますよね。

それから、こんな記事もありました。

避難小屋、設置望む声
=本州に比べ「整備に遅れ」-大雪山系遭難で地元ガイド
 北海道大雪山系のトムラウシ山(2141メートル)でツアー登山客ら9人の凍死者を出した遭難事故。出発後の行程には、風雨を避ける避難小屋がなかった。地元のベテランガイドは本州の山に比べ、整備が進んでいないとし、「小屋があれば助かったかもしれない」と話している。
 トムラウシ山では16日、18人(うちガイド3人)のパーティーが悪天候で遭難、翌日に救助されたが、ガイド1人を含む男女8人が凍死した。単独で入山した男性1人も亡くなった。
 ツアー客の登山は3日間で計28時間半をかけ、41.5キロを歩き通す日程。16日は避難小屋を早朝出発し、トムラウシ山頂を経て下山する計画だった。晴れた日でも10時間以上かかる12.5キロの難コースで、尾根筋の道は樹木も山小屋もなく、吹きさらしの状態が何時間も続くという。
 北海道山岳ガイド協会の川越昭夫会長(72)は「本州の山なら、行程の半日ごとに山小屋があることが多いが、北海道は整備が遅れている」と話す。(2009/07/25-15:12)


ごもっとも、です。
しかし、小屋を作るにはカネがかかる。維持するにもカネがかかる。
そのカネはいったいどこから持ってくるのでしょう。
登山者が落とすわずかなカネだけで、果たしてやっていけるでしょうか。
しかも、登山客がそれほど来ない山に常駐型の小屋を作る物好きな人はいないでしょう。
だったら税金で整備しろ、という話になるのでしょうか。

本州だって、小屋のないルートはありますよね。
それを前提として、必要にして十分な準備をして踏破するわけです。
小屋をあてにする登山者は、小屋のないルートは登ってはいけないわけですよね。
そこそこ身体を鍛えたうえで、自分の体力をわきまえ、身の丈にあったルートを選ぶ。
登山者がいるのだから小屋を整備しろというのは、本末転倒のような気がします。

こんな手抜きツアーでなくなった方の無念を思うと、後味の悪い遭難事件でした。
詳細は、羽根田治さんなどの専門家が解明してくれることを期待します。

合掌

テーマ : 登山・ハイキング
ジャンル : 旅行

大雪山系での大量遭難について想うこと

20090721-00000019-maip-soci-view-000_convert_20090721230457.jpg 写真:毎日新聞

まずは、亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。合掌。

さて、連日のように、大量遭難事故として新聞・テレビで報道されています。こういう事故が起きると、マスコミさんたちは、ここぞとばかり、連日のように記者会見を要求し、いかにずさんな計画だったかを根掘り葉掘り聞き出し、暴露したがるようです。それで亡くなった方が少しでも浮かばれればいいけれど、そうも思えません。山登りのはしくれとして、黙ってみているだけでいいのかな、と思っているのですが。。。

まず、トムラウシ山がどんな山か、わたし自身、あまりよく知りません。だいたい、本州以南の人間でヒグマ覚悟で北海道の山に登るというのは、例の百名山ハンターか、もしくは本州とは異なる植生や景観を見せる北海道の山の魅力に取り付かれたか、いずれかでしょう。でも、北海道の山が本州の山といかに異なるものであるかということくらい、たとえ北海道の山の経験がなくたって、多少の山の経験があれば推測できるのではないかと思います。

まず、トムラウシ山がどういう山か、見てみましょう。
非常に遠いがゆえに神秘的な謎めいた山というイメージがあるようです。
アプローチが長いことは、体力的に負荷がかかることを意味します。登山口のとば口であるトムラウシ温泉まで、特急の停車する新得町から入りますが、新得町からトムラウシ温泉までがクルマで30km近くの道のりです。さらにクルマで20分かけて、やっとのことで短縮登山口に到着です。

以後、標準ルートは次の通りです(所要時間は登りのタイム)。北海道の登山ガイドブックを持っていないので、ネットで調べたものです。

短縮登山口→(20分)→温泉分岐→(1時間10分)→カムイ天上→(2時間20分)→前トム平→(2時間)→トムラウシ分岐→(30分)→トムラウシ山頂(2141m)

1-006-tomu_convert_20090721225845.jpg
http://yamachizu.mapple.net/mt01-0006/

普通に登っても片道4~5時間のコースです。途中は沢を上り下りするなど、一般登山道の整備が十分ではない箇所もあるようです。晴れれば展望が素晴らしいのはもちろんですが、その分、テン場はトムラウシ分岐の南沼付近に限定されています。登った道を引き返すピストンが望ましいと書かれています。それでも、登って下りるだけでも、行程としてはけっこうしんどそうです。

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今回のツアーの行程

ガイドブックがないので、どんなコースかわかりかねるのですが、これだけのコースを山中2泊で踏破するわけです。しかも、きちんとした山小屋ではなく、雨露をしのげる程度の避難小屋に二泊です。18人のパーティでは、先客がいようものなら、さぞ窮屈だったでしょう。加えて、アプローチが長いため、残りの2泊は、登山前と下山後にあてがわなくてはなりません。行きは旭川空港、帰りは帯広空港を利用し、ぎりぎりの日程で組まれた4泊5日ということが何となく見えてきますね。

トムラウシ山自体がそんなに楽ではない山であるのに加え、疲労のたまる4日目に、悪天候の中、トムラウシ山に登って下るという状況になったわけです。ヒサゴ沼の避難小屋にとどまろうにも、予備日もなく、おそらく食料も十分ではなかったでしょうし、午後から晴れるという予報を信じて前進するしかなかった、のでしょうか。でも北海道の標高2140mは、本州で言えば北アルプスの3000m級の山を、悪天候の中、前進することと変わりありません。「四つんばいで岩にしがみついていた」ほどの強風だったのですから。

○ガイドが3人もいて、うち2人が初めてのコースだったこと。
○北海道の山を4泊5日という長丁場なのに軽装の人がいたこと。
○テントもツェルトも持たずに北海道の山を縦走するツアーであること。
○多くが中高年、というより体力に不安のある高齢者であること。
○参加者が初めて知り合った即席パーティであること。
○登山経験や力量にどれくらいの差があるかチェックされていなかったこと。
○何かアクシデントが起きてもエスケープルートがないこと。
○行程に予備日が設けられていないこと。

これだけ懸念すべき要因が出そろった時点で、このツアーは危険だ、ということは誰が見ても何となく想像がつきます。おまけに、助かった人の中には、観光旅行のつもりで参加したと言った人もいたとか。企画した旅行会社が、どの程度、山岳ツアーの経験があったのか知らないけれど、これでは無理があったといわれても仕方がないかもしれませんね。

ガイドが北海道の人だったかどうか、これも疑問。そうではなかったのかもしれません。でなければ、北海道の山で悪天候を承知で強行することがどんな結果を招くか、専門家であるはずの3人が3人とも判断を誤るなどということがありえるでしょうか。
携帯電話は通じていたとのことなので、ガイドたちはこれからどうするか、旅行会社と連絡を取り合っていたはずです。
帰りの飛行機も決まっているし、ツアーをきちんと最後まで成功させないと、あとで精算だの何だの面倒なことが起きるのは想像に難くありません。それは仕方がないことですが、人の命には代えられません。

わたしは単独行がほとんどなので、登山ツアーに参加したことはありませんが、集団で山に登るということの意味を改めて考えさせられました。よく単独行は危険だ(現に今回の遭難事故では美瑛でも単独行の方が亡くなっています)と言われますが、互いをよく知らない集団での登山には、もし何かあった場合、これほどまでに危険をはらんでいるということがわかりました。

凍えるような寒さの中で低体温症で亡くなった方々、好きなはずの山でこのような亡くなり方をされ、さぞ無念だったと思います。改めてご冥福をお祈りします。

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谷川岳 (天神尾根) から法師温泉へ

11月21日、谷川岳に行ってきました。
連休前の平日とあって静かな登山を想像していたとおり、ほとんど人に会うことはなく、静寂に包まれて、冬の森林浴を満喫することができました。
まだ秋山が終わったばかりというのに、天神平付近で積雪が30cmを越えているとのことで、今回はロープウェイで天神平まで一気に上がり、天神尾根から山頂を目指します。ロープウェイを下りると、スキー場のオープンを23日に控え、リフトの準備作業をしていました。積雪はやはり30cmあります。どうやら2日前に一気に積もったようです。

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フワフワの新雪ですが、一応、軽アイゼンをつけ、準備万端整えて歩き始めます。登山道はこんな感じで、夏山とは勝手が違い、歩きづらいです。しかも木道で、下の踏み板が隠れているため、ズボズボと板を踏み外してバランスを崩しながら歩きます。風はなく、暖かいくらいです。

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1時間ほど歩くと、熊穴沢避難小屋に到着。小屋の中は誰もいません。数分ほど休んで小屋を出ると、後から来た単独行の方と出会いました。どうやら先方も人がいるとは思っていなかったらしく、お互いにちょっとびっくりしながら挨拶を交わします。
これからは気持ちのよい尾根あるき。展望がよく、木々の間から谷川岳の姿がよく見えます。やがて露岩が出てきますが、凍結していなければ危険ではありません。

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第一見晴台あたりからのショット。すでに冬山です。これから冬の深まりにつれ、全山がぶ厚い白い衣で覆われてしまいます。
このあたりで、後から追いついてきた先ほどの方に、アイゼンを落としたらしいことを教えられました。ちょっとした鎖場で岩に引っかかったのでしょうか。教えていただき、ありがとうございました。

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吹きさらしの尾根では、雪は吹き飛ばされてしまいます。ちょっといやらしい雲が出てきたので、先を急ぐことにします。

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肩の小屋に到着。夏山より少し、時間がかかりました。先行していた方と一緒になり、食事をします。
そして山頂(トマの耳)に登り、冬の谷川岳の景観を楽しみました。マチガ沢から万太郎に連なる上越国境の山々です。さすがに風が強く、雪がチラチラ舞っています。10分ほど滞在し、下山を始めました。
肩の小屋の周辺には、動物の足跡がたくさん残っています。新雪で、動物たちがはしゃぎまわったのでしょうか。ウサギにしては大きいし、何だろうと思いました。滑落しそうな急斜面にも足跡が残っており、動物たちのたくましさを痛感します。

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一気に下山した後は、ロープウェイで土合まで下り、ふもとの温泉旅館に一泊しました。
水上駅前で撮った一枚です。まだ紅葉が残っていて、新雪との三段染めといった雰囲気です。今年は雪が早かったとのことで、ラッキーでした。

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翌日は、三国まで足を延ばし、法師温泉に行ってきました。宝川温泉などとともに、関東の秘湯として有名です。猿ヶ京温泉の先で三国街道(国道17号)から細い道に入り、道なりに走り続けると、法師温泉の建物が見えてきます。まだ雪は降ったばかりで、積もってはいませんが、真冬には3m近い豪雪に閉ざされてしまいます。
混浴の「法師の湯」に入ります。中は丸太で仕切ってあって、下には玉石が敷かれており、玉石の下からも湯が湧き出ています。熱くもなくぬるくもなく、ちょうどいい湯加減で、つい長湯してしまいます。混浴ですが女性陣はタオルで巻いていますから、特に気兼ねすることもなく(といっても女性陣がかなり神経を使っているのは当然ですが…)。混浴という習俗は世界的に見ても珍しいそうですが、かつての日本のあけっぴろげ的な雰囲気が今も山奥に残されているというのは、いいものですね。

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古民家での晴耕雨読な暮らしに憧れる軟弱な熊谷都民。

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